2007年2月20日火曜日

職人さん (本寄木)

古 い話で申し訳ない。写真は20年前に展開したアパレルメーカーの店舗の写真です。床にご注目下さい。本寄せ木です。亀甲模様や色々な伝統的なパターンがあ りました。厚み8mmの違う色の木を組み合わせてパターンを考えるのは最高に楽しい仕事でした。しかし残念ながらこの技術を受け継ぐ木工所はどこにもあり ません。都内で唯一市ヶ谷にあった木工所から廃業の知らせがあったのが15年以上も前でした。本寄せ木以外にも左官や経師や数々の伝統的な技術が後継者の 無いまま無くなっていきます。工事現場で3Kに塗れて働く職人達さんを見ていて思う事は『日本はもっと職人の社会的地位を向上させ職人さんがプライドを 持って生きて行ける社会であって欲しい』と、そう願わずにいられません。どの職種が欠けても現場は成り立たない。デザイナーも職人さんもみんなが同じ目の 高さで向かい合い、それぞれの経験を活かしあって目的を完成さる。そんなチームワークを目指しています。

右の写真は明治時代の職人さんが作った寄せ木のサンプルです。
今日でも木と木の隙間はまったく見られません。
時代が大正・昭和と進むほど職人さんの技術が下がっているように思うと、当時木工所の社長さんはおっしゃっていました。
今は平成。これを作れる職人さんはいなくなってしまいました。

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